やったらやり返される

ゲーム・アニメ 下手の横好きの日常ブログです

テイルズオブアライズ 感想

心の黎明を告げるRPG テイルズオブアライズ

総プレイ時間 78時間
トロフィーコンプまでやったが、それでもまだ遊び足りないくらいに純粋にバトルが面白かった。追加コンテンツのSAOコラボクエストも、ちゃんと全滅して何十回と繰り返してクリア。自分の力で攻略したくなるゲームはいいゲームだ。
ブーストアタックは駆け引きがあり、ブーストストライクは簡易秘奥義といった感じに使えて非常に爽快。ボス戦にはギミック要素があり簡単には倒せない難易度。敵の秘奥義を見る前にボコって終わりというのは無くなってた。特殊演出が入るのもアツい。

爽快感がありつつ倒すまでの歯ごたえもあり、歴代で一番好きなバトルシステムだった。ジャスト回避も難しいけど成功すれば気持ちよい。裏ボスの弾幕目押しアクションまでいくとバトル中も脳汁ドバドバで笑いが漏れそうになる。
ギガント級モンスター討伐は普通に死ねる。グミは必須級だしライフボトル枯渇問題がいつも起こる。これにはアイテムなんぞ使ってんじゃねぇが体に叩き込まれている世代に新風が吹き荒れた。

アイテムは 使え!

アライズはそう訴えかけてきた。これが令和テイルズ。アイテム縛りなんてプライドはラズゥム採石場地下の海に捨ててしまおう。

バトルに関しては褒めどころしか無くて、闘技場コンテンツまでやり尽くしたいと思う作品はそうそう無い。完璧。有料追加コンテンツもどんどん増えてほしい。

 

 

続いてく物語に私はいるのかな

クリア後は、長い長い夜が明けたと晴れやかな気持ちになれた。ストーリーが文句なしのハッピーエンド。大団円。
黎明はアライズの世界にもメンバー1人1人にも通じるテーマだったが、やはりシオンが最もリンクしていたと思う。BlueMoonが素晴らしい楽曲だった。
事前情報を見て「今回のパーティーメンバー6人は、支配する側のレナと支配される側のダナの3:3構成ね。」と、こう思っていた思考そのものがすでに間違っていたんだなと思わされた。
終わりに差し掛かる頃にはパーティーメンバー全員のことが愛おしくなるのがテイルズ。今作も6人それぞれの過去、身分や立場の葛藤、心の変化、お互いを認め合っていく絆が愛おしかった。
グラフィックは大幅に進化し、等身は高くなったがイラストのような柔らかい表現はテイルズの輪郭をしっかり継承していたので違和感は無かった。2Dアニメがマストだと思っていたスキットを3Dに変えたのは気になっていたが、プレイしてみれば納得のいく出来栄えだった。リンウェルほんまかわいい。
3Dキャラの動きが派手で表情豊かな分、逆にアニメーションが浮いてしまい、むしろアニメの方がノイズになるというテイルズでは考えられなかった逆転現象が起こるとは…という感じ。

 

一人じゃ起こりえない奇跡みたいに

主題歌のHIBANA。感覚ピエロが初めて聞くアーティストで若干の不安を持っていたものの、ここまで丁寧に作りこまれたテイルズを主題歌が台無しにするなどあるわけが無かった。クリアしてみればアライズにぴったりで、作品のバックボーンが重なって名曲になるというテイルズのお約束に足り得る楽曲だった。
聴けば作品を思い起こさせてくれる、そのくらい作品とリンクした楽曲を作ってくれた感覚ピエロさんは真剣に向き合ってくれたんだと思う。テイルズに関わってくれる人たちがテイルズを好きになってくれると嬉しい。テイフェスの生演奏楽しみです。

そしてもう1つのテーマ曲 Hello Agein ~昔からある場所~
発売の2週間前くらいに突如発表された2人目のアーティスト。歌唱は絢香。我々世代なら誰もが知っている歌姫。テーマ曲が2つあるという展開は予想外すぎた。
テイルズといえば有名アーティストが主題歌を担当するのも魅力。失礼ながら感覚ピエロは少々パンチが弱いな…と思ってはいた。
テイルズはこう!と古参ぶってガチガチに固めるのはよくない。新鋭のアーティストで若返りも必要だ。だが大物に歌ってほしい期待もあった。
そういう複雑だったファンの心を見透かしたかのように放たれた絢香砲。完全に富澤Pの手の上で転がされた。
シナリオの前後編で急展開する物語にも、HIBANAとHelloAgainの対比は上手いことマッチしていた。感覚ピエロと絢香の2枚看板を立てたのは本当に大正解だったと思う。

 

記憶の中でずっと二人は生きて行ける

ゲームとしては過去一レベルで面白かったと言えるが、シナリオは良くも悪くも普通だった。あくまで個人の好みとして。
アライズは本当に『可もなく不可もなく』というか、苦しみを乗り越えてハッピーエンドっていうのは少しも悪いことではないんだけど、あまりにも素直過ぎて、見えていた結末そのままに終わってしまった。

キャラクターはすごく良かった。アルフェン&シオン、ロウ&リンウェル、キサラ&テュオハリムという3ユニットを、公式がここまで明確にバディとして押してくるのは珍しかったし、特にテュオハリムという過去にないタイプの絶妙なキャラクターを、キャラてんこ盛りのテイルズの中で生み出せたのがスゴイ。さらにキサラのようなゴリゴリの盾キャラは海外人気がめちゃくちゃ高くなりそうでデザインを見た時から好きだった。家族のような6人の旅は本当に楽しかった。

ただクリア後の余韻が『普通』に落ちた原因は恐らく、敵に感情移入する要素がほとんど無かったからだと思う。
アライズはラスボスを倒した時に少しも痛みが無いんですよ。心に残るしこりのようなものが。
ベルセリアをクリアした時、ベルベットとアルトリウスに対して激烈に湧きあがった「2人とも幸せに生きてほしかった」という痛い感情。
作品を終えてもなおアルトリウスという存在が心に焼き付いているインパクト。
敵が「好き」でも「嫌い」でも、どちらなりとも振れていればスカッとするか悲しいかの心境が生まれるというもの。しかし今作は「どちらでもない・特に印象に残るほどでもない」という一番最悪な状態だった。
まぁヴォルラーンも深堀りすれば悲壮なキャラクターだけど、アルフェンが「そんなことよりシオンだ!」のスタンスからブレないせいで一生蚊帳の外だったのが可哀想。
魅力的な敵キャラクターが存在しなかったという一点においてだけは少々残念だった。敵じゃないけどジルファのおっさんの方がよっぽどいい敵役してたよね。あのサブイベントが一番アツかった。
あと、テイルズにしてはシナリオが妙に勧善懲悪っぽい傾向は気になった。衝突を生まないように、リアル炎上しないようにとものすごく多方向に気を遣って、無難なところに収めたようなすっぽり感。初動でコケたら死ぬ今の時代、そういう風にしないといけなかったのかもしれない。
評判が良いのは大変喜ばしいけど、少しの苦みも残さないで長く記憶に残るタイトルになるのかなっていう疑問は感じた。

アニメーションについては色々言いたいことはあるけど、とりあえずもうアニメーションは無くてもいいレベルだったとだけ。

 

壁は壊せるんだ

これまでのファンと、世界中の初めてテイルズを知る人に届けることを掲げた『TOARISE』
テイルズらしさはしっかり受け継がれつつ、今までのテイルズになかった新しさが盛り込まれた本作が生まれたことに本当に感動しました。これを皮切りに、この先もテイルズオブが続いていくんだと信じるには十分。日本の1ゲームタイトルが世界規模って冷静に考えてみても凄いことです。

 

さて明日、いよいよ明日。テイルズオブフェスティバル2021
ついに有観客で開催される日が来ました。この日をどれだけ待ったことか。もうオープニングでヤングを見ただけで泣いてしまうかもしれない

アライズチームがほぼ総出演で、会場も変わってどんなテイフェスが見れるだろうと期待で一杯です。2年越しの思いで全力応援したいと思います!